上を向くのに疲れてないか?
人前で自己紹介するとき、自分のそのままを誤解なく伝えている人ってどれだけいるだろう?
きっとみんな、カメラが好きとか、クラフトビールにハマってるとか、アマプラでバチェロレッテ見てるとか、御朱印集めしてるとかそんなんばっかだろう。
大体の人は、常套句で、自分の本質をぼやかすだろう。うんざりである。
なりたい自分ってすごく前向きな言葉。
今よりオシャレな自分、お金持ちな自分、モテモテな自分、芸術センスがある自分、etc..
そんな虚像を、みんな持っている。
「なりたい自分」は私たちの心を縛り付けている。
「なりたい自分」の影が濃くなると「ならなきゃいけない自分」になる。
みんな、外では綺麗に見られたいし、なんなら、「綺麗に見られなきゃダメだ」って自分を締め付けてる。「なりたい自分、こうでなきゃいけない自分」を見せようと汗かいて、失敗して、なれない自分を責め立てる。虚像が実像を責めて立てる。
だから、後戻りできない決断をしようとしている人には、一回立ち止まって考えてみて欲しい。
それは、「なりたい自分」がやりたいって言ってるの?
それとも、「本当の自分」がやりたいって言ってるの?
前者だったら、きっと後悔する。
もし、あなたが「カッコイイビジネスパーソン」という虚像を抱き、レベルの高い会社に転職したとしよう。(かっこいいビジネスパーソンは、一流企業やキラキラベンチャーでバリバリ働き、口からスラスラとイケてる横文字が流れ出てくる。そんなイメージだ。)最終選考をパスしたあなたの目は、最高に輝いている。でも、その先でいよいよ入社したあなたが出会うのはきっと、中途入社特有の孤独感、不慣れな組織風土、そして求められる高いスキルだ。
虚像は脆くも崩れ去る。
なりたい自分の自己実現は一瞬の幸せで、いつまにやら際限のない競争に自分を駆り立てていくのだ。
なりたい自分にとっての幸せは、必ずしもあるがままの幸せじゃない。現状に不満があるのはわかる。満たそうとするために前向きな行動を取るのもわかる。でも、向いている方向が本当にあっているのか、もう一度考えて欲しい。
大事なのは、自分も良いところも、悪いところも、自分なんだって認めていくことだ。本当に自分の心を穏やかにしてくれるのは、自分に仮初の満足感を与えることじゃない。自分の実像を認めるのが一番大事なんだ。
今の自分がダメなんて、誰も決めちゃいない。あなた自身が自分の首を絞めていないか、一度考えてみて欲しい。
あなたが今、安心して安全に過ごせる場所にいるのなら、頑張って上を見ようとしなくてもいいんじゃないか?