エゴ
あなたの好きを大事にしてほしい。
あなたの好きは、あなたという人間だからこそ生まれたものです。
あなたが積み重ねた経験、記憶、知識から花ひらいた、またとない感受性なのです。
そして、頼むから、私の「好き」を理解した気にならないでほしい。
それは私にしか身をもって感じられないものだから。
悲しいことに、私の「好き」をいくら言語化しても、必要十分には伝わらないでしょう。
そして、あなたが知識や技術で優れていても、絶対にマウントなんか取らないでほしい。
あなたが愛してやまないものについて思い返してみてください。
初めて出会った時、なんにも知らないのに、とても輝いて見えませんでしたか。
知識なんて手垢にまみれたもので心は測れない。
そんな簡単なことを、なんで忘れちゃうんだろう。
どうか、お願いだから、虚飾なく好きと言えるものに、理由なんか求めないでほしい。
あなたにいくら説明しても、私の好きはあなたにはわかりません。あなたは私になれないから。
同じように、私もあなたの好きがわからないです。私はあなたになれないから。
でも、そういうものだっていうことだけはわかります。
だから、あなたの好きを大事にしてほしい。
それに、私の好きを勝手に巻き込まないで欲しい。
…という私のエゴ