さとやん

ブログに書くこともあるけど、やっぱり面と向かって言いたい。

情報に踊らされる (2019.04.13)

www.u-tokyo.ac.jp

 

現代は私が生きてきた戦後の復興の時代に比べると遙かに豊かになりました。しかしそれに伴って精神的にも豊かになったかといえばそれほど単純にイエスとは言えないように思います。私は最近、自分の生きてきた時代は良かったなと思います。生物学の分野でいえば、分子生物学が勃興し、新しい原理的な発見が相次ぎ、その黎明期で今ほど膨大な体系や権威が確立している時代ではありませんでした。図書館に行って先人の論文を見つける作業が必要でしたが、得られる情報も限られていました。一方今では、コンピューターの進歩により世界中の情報を瞬時に知ることができます。小さな携帯から瞬時に沢山の世界中の情報を得ることができます。それは素晴らしいと同時に、現代人の抱える深刻な課題でもあると思います。情報が膨大なので、とりあえず単純化された結論めいた情報で分かったような気分にさせられてしまう面があります。じっくりと自分の疑問に向かい合うことが難しくなってきているように思います。膨大な情報に惑わされず、自分が何をしたいか、どう生きたいかをみつけて欲しいと思います。

 

自分の仕事、生き方、趣味、あらゆるものに対するスタンスがインターネット、コンピュータの進歩で変わったと思う。

それほど発達していなかった時代の時間感覚、事物に対するじっくりとした向き合い方はもはや懐かしい。

あの時代(といっても、私はもはや中学生にもなっていなかった時だけれど)は、単純な答えをすぐに返してくれる手段がなかったからこそ、良く練られた答えを自力で導くことが求められた。逆に言えば、そういったスキルが長けた人が多くいたのかもしれない。私がいま働いている会社のベテラン技術者には、そういった方が多いなと感じる。